4.第19回農業委員統一選挙対策推進要領
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第19回農業委員統一選挙対策推進要領
−岩手の地域農業再生に向けた行動する農業委員会づくり−
平成17年2月
岩手県農業会議
- 1.趣旨
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規制改革や地方分権、さらに農政の抜本改革が進められる中で、農業委員会法においても第159回国会で農業委員会の活動の重点化や組織体制のスリム化・効率化等に向けた法改正が行われた。
また、平成17年3月を目途に策定作業が進められている新たな食料・農業・農村基本計画においても、農業構造の改革に向けて「優良農地を確保する措置の強化」や「農地を農地として効率的に利用する仕組みの構築」が重視されており、農業委員会系統組織が果たす役割・機能への期待は一層高まっている。
一方、本県においても市町村合併が進展しつつあり、農業委員会の広域化に伴い、農業委員一人当たりの区域や業務量の増大は必至であることから、農業委員会に期待される役割・機能をいかに十全に発揮し、目に見える形で成果を積み上げていくかが喫緊の課題となっている。
こうした情勢のもとで、今年7月に実施される 第19回農業委員統一選挙は、農業委員会系統組織はもとより、農業・農村にとっても極めて重要な意味を持つものである。
このため、統一選挙に向けた取り組みに出来るだけ早急に着手し、農業委員会制度と組織の役割についての啓発普及、地域農業の振興に意欲と情熱を持った行動力のある多様な人材が数多く立候補する環境づくり等を基本に、行動する農業委員会づくりのための万全の対策を講ずる必要がある。
- 2.基本的な対応方針
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以上の趣旨を踏まえ、次の基本的な方針のもとに組織をあげた対応を図ることとする。
- (1) 農業委員会制度と組織の役割の啓発普及
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農業委員会は、行政委員会として「優良農地の確保と有効利用」「担い手の確保・育成」など地域農業の振興と構造政策を担う推進組織であるほか、農業者の声を受け止めて政策提案を行うなど農業者の公的な代表機関としての重要な役割・機能を持っていること、さらに「かけがえのない農地と担い手を守り、力強い農業をつくるかけ橋」との組織理念の下に地域農業再生運動を基礎とした行動する農業委員会の取り組み方向等について、関係機関・団体をはじめ、農業者や住民等に幅広く理解を求めるように努める。
◎農業委員会系統組織の役割と取り組みの方向
−平成16年度全国農業委員会会長大会特別決議(抜粋)−- 優良農地の確保と有効利用の取り組み強化
- 認定農業者等の担い手づくりと農地利用集積の強化
- 「食」と「農」の国民理解に向けた取り組みの強化
- 農業委員会組織の体制及び運営の整備強化
- (2) 公選制の意義を踏まえた農業委員選挙の推進
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農業委員会は、公職選挙法に準じて農業者自らが選んだ代表を主体として運営することを基本としており、組織・活動の活性化を実効あるものにするためには農業者の理解と自覚が不可欠である。
このため、公選制を準用している農業委員選挙の意義と重要性を地域で再確認し、単に“村役の持ち回り”で農業委員を選出するということでなく、地域の農業者から広く信頼され、地域農業の振興に情熱と意欲を持った行動力のある人材が数多く農業委員に立候補できる環境づくりに努めるものとする。
- (3) 女性・青年農業者、認定農業者等の人材の選出の推進
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地域農業の振興に向けた幅広い意見集約を図り、行動する農業委員会としての活動の強化を図るため、第159回国会における「農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」等を踏まえて、女性・青年農業者、認定農業者等の担い手による選挙委員への立候補や選任委員への登用に向けた取り組みを推進する。
特に、女性農業委員について、「農山漁村男女共同参画推進指針」を踏まえ、一農業委員会当たり複数の女性農業委員の確保(県内の農業委員の約1割)を目標とするとともに、認定農業者の農業委員についても全体の3割を目標に、市町村長、市町村議会、農業団体並びに地域の農業者等の理解と協力を得る運動を推進する。
その場合、議会推薦の選任委員枠の一層の活用を図るとともに、選挙委員として立候補を促す取り組みに万全を期すこととする。
- ◎女性並びに認定農業者の農業委員数(平成14年10月)
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- 女性農業委員数
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- 全国/2,196人(4.0%)
- 岩手県/61人(5.4%)(現在76人,6.9%)
- 認定農業者の農業委員数
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- 全国/8,322人(14.0%)
- 岩手県/356人(31.7%)
- ◎農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
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- 衆議院農林水産委員会(平成16年4月21日)−抜粋−
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3.女性・青年農業者、意欲ある担い手及び法人経営者等が地域農業の持続的発展に果たす役割の重要性にかんがみ、それらの農業委員への積極的な登用に向け環境整備に取り組むこと。
- 参議院農林水産委員会(平成16年5月18日)−抜粋−
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3.農業委員会が農地や担い手をめぐる諸課題に的確に対応し、活力ある地域農業を実現するため、女性をはじめ、青年農業者、意欲ある担い手等多様な人材が農業委員に積極的に登用されるよう取り組むこと。
- ◎農山漁村男女共同参画推進指針(平成11年11月1日)−抜粋−
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- 2-1-1.農山漁村における社会参画の目標策定・達成について
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各都道府県において策定した農山漁村における女性の参画の目標に基づき、市町村等各地域レベルにおいても参画目標の設定を行い、その目標の達成に向けて積極的に取り組んでいくことが重要である。
さらに地域レベルにおける参画目標の設定、目標の達成に向けた支援策の充実を図る。
- 2-1-2.地域社会における男女共同参画の促進のための具体的取り組みについて
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地域全体における女性の社会参画を促進するためには、女性の参画に関する各種行事、研修、情報提供等を通じて地域社会における男女共同参画に関する意識の醸成を図ることが必要不可欠である。
また、地域計画の策定、合意形成の場などの会議を開催する場合には、女性の意見が適切に反映されるよう、例えば女性グループの代表としての参加や夫婦での参加を募るなど女性が実際に意思決定の場に参画できるよう配慮を行う。
- 参考:「岩手県むら・もり・うみ女性ビジョン」の男女共同参画指標
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- 平成17年(中間年)の女性農業委員数=各農業委員会1名以上(約5%)
- 平成22年(目標)の女性農業委員数=各農業委員会2名以上(約1割)
- (4) 市町村合併と地域の実態を踏まえた組織体制の適正化の検討
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市町村合併による農業委員会の広域化の進展や法改正による選挙委員の下限定数(10人)の条例への委任等に伴い、農業委員数の大幅な減少と活動の広域化、事務局業務の増加が必至となっている。
そのため、農業委員の定数については、地域の実情、選挙委員定数の基準や活動体制、選任委員の数とのバランス等に十分配慮して適正な確保に努めることとする。
その場合、農業委員と農業者との関係が疎遠にならないように選挙区の設置について十分留意するものとする。
一方、農地面積の少ない農業委員会においては、法改正を踏まえた効率的な業務執行を図るための定数の見直しを検討する。
- ◎選挙委員定数の変更について
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選挙委員定数の変更は、一般選挙の場合でなければ行うことができないこと(農業委員会等に関する法律第7条第2項)になっている。また、定数見直しのための条例改正は、一般選挙以前に予め行う必要がある。
なお、改正農業委員会法では、選挙委員の下限定数(10人)が廃止され条例に委任されているが(第7条第1項関係)、選挙委員定数は選任委員の数を越えるものであることが政令に規定される。
- 3.具体的な対策
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統一選挙に向けて全国農業会議所は、以下の対策を実施することとなっている。
岩手県農業会議、市町村農業委員会は、具体的に次の対策を実施するものとする。
- (1)全国農業会議所
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全国段階において、第19回農業委員統一選挙の円滑な推進と農業者並びに関係機関・団体等への啓発のため、以下の対策を実施する。
- 《選挙前の対策》
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- 農業委員統一選挙対策推進要領の策定及び申し合わせ決議の決定
- 農業委員会長、市町村長、市町村議会議長等に対する全国農業会議所会長名による協力依頼
- 全国段階の農業経営者組織、農業関係女性組織、農業関係青年組織等に対する周知徹底の活動
- 農業委員選挙に関する相談・支援体制の整備(農業委員選挙に関するQ&Aの作成、電話相談等の実施)
- 農業委員統一選挙の標語募集など全国農業新聞によるキャンペーン活動
- チラシ、啓発ポスター、リーフレットの作成など選挙関係の全国農業図書の発行
- 全国段階の新聞・テレビ・ラジオ等に対する農業委員統一選挙についての広報活動
- 以上の対策のほか、都道府県農業会議が実施する対策への協力・支援、情報提供
- 《選挙後の対策》
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- 農業委員統一選挙結果の把握・分析と広報活動
- 新任農業委員の研修マニュアル等の作成
- (2)岩手県農業会議
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県段階において、第19回農業委員統一選挙の円滑な推進のため、以下の対策を実施する。
- 《選挙前の対策》
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- 県段階における農業委員統一選挙対策の推進要領の策定及び農業委員会会長会議での申し合わせ決議の決定
- 県段階の関係機関・団体(町村会等の地方団体、各種農業協同組合連合会、農業共済組合連合会、土地改良事業団体連合会、農業改良普及センター、農業経営者組織、認定農業者組織等)への協力依頼
- 農業委員への積極的な女性登用を関係方面(市町村長、市町村議会議長等)に働きかけてほしい旨の、女性農業委員連絡協議会や女性農業者グループ(JA女性組織、生活改善グループ等)に対する啓発
- 農業委員会の役割と活動、農業委員の任務等について全国農業新聞特集号や全国農業図書の活用(農業委員選挙・市町村合併Q&A コード番号:16-54を各市町村農業委員会に配布)
- 農業会議の情報紙およびインターネットホームページの活用
- 常任会議員会議、臨時総会の開催準備、新任農業委員の研修会など改選後の準備
- 以上の対策のほか、各農業委員会が実施する対策への協力・支援、情報提供
- 《選挙後の対策》
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- 農業委員統一選挙結果の調査と全国農業会議所への報告
- 新任農業委員の研修の実施
- (3)市町村農業委員会
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農業委員統一選挙についての農業者等に対する啓発普及を図るため、以下の対策を実施する。
- 《選挙前の対策》
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- 総会等における農業委員統一選挙対策の基本的な取り組み方針の策定及び申し合わせ決議の決定
- 農業委員統一選挙の意義と仕組み、農業委員会の役割や農業委員の任務と活動等についての集落での説明会や女性・青年農業者、認定農業者等と農業委員会との意見交換会の実施
- 全国農業会議所が作成する啓発ポスター、リーフレット等の活用による農業委員会の役割と仕事、農業委員の任務等の周知徹底
- 農業委員会だより、市町村広報紙、有線放送・CATV等の活用による農業委員統一選挙の啓発
- 農業委員会の選任委員について、女性・青年農業者並びに認定農業者等の多様で行動力のある人材の登用についての市町村長、市町村議会議長に要請(農業委員会会長が市町村長並びに市町村議会議長に直接面談して要請)
- 市町村、農業協同組合、農業共済組合、土地改良区、農業改良普及センター、農業関係女性組織、農業関係青年組織、農業経営者組織等の関係機関・団体に対する協力依頼
- ア.市町村への協力依頼
- 出先事務所、公民館等を通じた啓発ポスター、チラシ等の配布・掲示や有線放送・CATV等を活用した呼びかけ
- イ.農業協同組合への協力依頼
- 農業協同組合の事務所等でのポスター、チラシ等の掲示、配布等の協力依頼、農業協同組合主催の会合等をとらえての啓発、有線放送を活用した農業委員選挙の重要性の啓発及び農業委員会の役割・業務の紹介
- ウ.その他関係機関、団体への協力依頼
- 農業共済組合、土地改良区、農業改良普及センター、農業関係女性組織(JA女性組織、生活改善グループ等)、農業関係青年組織(JA青年組織、青年農業者クラブ等)、認定農業者組織等の会合において、農業委員会の役割の啓発と協力依頼
- 現行の農業委員による活動の総括と今後の取り組みの重点等についての取りまとめを行い、改選後の新体制に引き継ぎ
- 改選後の総会、農地部会、農政部会、研修会等の開催準備
- 《選挙後の対策》
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- 農業委員統一選挙結果の岩手県農業会議への報告
- 農業委員会長・1号会議員の選出結果の岩手県農業会議への報告
- 新任農業委員の基礎研修の実施
- 新体制の下での「農業委員会活動計画」の策定
- 岩手県農業会議等主催の研修会への参加
- ※ 岩手県農業会議における対策の実行経過
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岩手県農業会議は、第19回農業委員統一選挙対策推進要領にもとづいて、スケジュールどおりの全ての取り組みを実行しています。
そのうち、県段階の関係機関・団体への協力依頼は2月23日に次のとおり行いました。
- 岩手県市長会会長様宛
- 岩手県町村会会長様宛
- 岩手県市議会議長会会長様宛
- 岩手県町村議会議長会会長様宛
- 岩手県農業協同組合中央会会長様宛
- 岩手県農業共済組合連合会会長様宛
- 岩手県土地改良事業団体連合会会長様宛
- 岩手県認定農業者組織連絡協議会会長様宛
- 岩手県農林水産部農業普及技術課総括課長様宛
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また、農業委員への積極的な女性登用を市町村長、市町村議会議長等の関係方面に働きかけていただきたい旨の啓発は次のとおり行いました。
- 岩手県女性農業委員連絡協議会会長様宛
- JA岩手県女性組織協議会会長様宛
- 岩手県生活研究グループ連絡協議会会長様宛