「岩手産直経営者セミナー」を開催
平成17年2月24日〜25日
岩手県農業会議と岩手県農業経営改善支援センターの主催で「岩手産直経営者セミナー」を盛岡市つなぎの「ホテル大観」を会場に開催しました。

小笠原氏の講演
このセミナーは、各地でがんばっている産直の関係者に講演や分科会討議などを通じて、情報収集や仲間づくりの場を提供し、今後の産直の発展に役立ててもらおうと開催したもので、当日は全体で94人が参加しました。
セミナーは2日間で2本の講演と事例発表、さらに分科会が行われました。
24日の講演は、岩手日報社編集委員の小笠原裕氏による「岩手県の産直の方向性を探る」でした。
講演で小笠原氏は、岩手県内の産直がおかれている現状と、各地の産直の取り組みの事例を盛り込みながら、今後、産直が進むべき方向について語りました。
その後、販売戦略・法人経理・商品開発の3つの分科会に移りました。

分科会の様子(写真は法人経理分科会)
各分科会とも、直面している問題、これからの方向について、県内の産直施設の関係者から情報提供され、それに基づいて議論されましたが、参加者がそれぞれ直面している内容ということもあり、情報交換を交えながらの熱のこもった議論となり、参加者は2時間の分科会ではまだ時間が足りないといった様子でした。
25日の講演は、岩手阿部製粉株式会社代表取締役社長の阿部淳也氏による「今、求められる地域産業の生き残り戦略」でした。
阿部氏がこれまで展開してきた事業について話し、最初はほんの小さなきっかけで事業を始め、そのうちに様々な問題にぶつかって、それをどう解決していったか、特に食品を扱う上で直面する課題や、問題にぶつかった時の心構えなど、体験に基づいた中身の濃い講演でした。
次に、岩手県のお隣、青森県名川町の名川チェリーセンター会長の掛端愛子氏を中心に、副会長の岩間えい子氏、会員の田中久子氏の3氏から、「地域をリードする農村女性の起業活動について」が事例として発表されました。
事例発表では、魅力ある産直施設を続けていく上で注意すべき点など、運営のコツが紹介され、特に組合員の人数が多い場合は規則をきちんと守ることが大切という話には、会場から「そこが難しい」「でも、やらなければ…」など、大きな反応がありました。
最後に、岩手県農業会議の上野経営アドバイザーから、農業経営の法人化についての説明が行われ、2日間にわたるセミナーの締めくくりとなりました。
今回、初の試みとして産直に的を絞ったセミナーを開催しましたが、参加者はいずれも目的意識がはっきりしており、熱心にセミナーに参加していました。

阿部氏の熱のこもった講演

掛端氏のスライドを活用した事例発表